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これ以上耐えられないという苦しい表情で、八重樫東（３１）＝大橋＝はリングに崩れ落ちた。ボクシングのＷＢＣライトフライ級王座決定戦では、同級３位の八重樫が１位のペドロ・ゲバラ（２５）＝メキシコ＝に挑戦した。ローマン・ゴンサレス（ニカラグア）との激闘の末にＷＢＣフライ級王座から陥落して３カ月あまり。再起戦がいきなり世界戦という試合を、優位に進められず、好機をふいにした。

もともとスロースターター」（松本好二トレーナー）の八重樫が選択したのは、序盤からゲバラに圧力をかける展開。ただ左フックで崩そうとしても連打が決まらず、攻めあぐねる状態が続いた。四回を終えてジャッジ１人が同点、２人が２ポイント劣勢。

　気をよくしたゲバラのペースにのまれ、七回、左ボディーフックに沈んだ。

　「最強」といわれたゴンサレスとの試合を終え、闘争心の維持に苦しんだのも事実。「何より『燃え尽き』が怖い」という松本トレーナーの不安は少なからず的中し、八重樫は「（気持ちを）作るのは難しかった」。

　周囲の関心は進退に向かう。「『（ボクシングを）やりたい』とも思うし、『やっていいのかな』という気持ちもある……。どうやって決めるんですかね？」と八重樫。岐路に立たされた。



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